CASE 03 / 医療・YMYL(美容)

美容・再生医療クリニックの医療広告ガイドライン改正対応 — 公開記事とサイト本体を横断是正

業種
美容外科・再生医療クリニック(都内・単院)
支援内容
記事制作・医療広告コンプラ点検・月次レポート
期間
1年超(継続中)/1名体制
4重制約薬機法×医療広告GL×再生医療法×YMYL に対応
R8.3対応医療広告等ガイドライン改正

Challenge課題

「薬機法 × 医療広告等ガイドライン × 再生医療法 × YMYL」の四重制約のなかで、再生医療の専門性を誇大表現にならない範囲で訴求することが課題でした。とくに医療広告等ガイドライン令和8年3月改正に向け、公開記事とサイト本体に点在する誇大表現・禁止広告の是正が必要でした。

Approach取り組み

「限定解除」と「禁止広告」の2軸で対応を整理し、公開記事とサイト本体を横断的に是正。再生医療法に基づく「届出」表記への統一、医師確認用Excelの運用フロー確立、コンプラチェックの自動化(薬機法+医療広告)まで体系化しました。

Result成果

改正基準に沿って公開記事の誇大NG表現とサイト本体を横断是正。医師確認フローとコンプラチェック自動化を再利用可能な体系として整備し、改正対応を継続しています。

Details

取り組みの詳細

課題の分析から具体的な施策、成果の内訳、横展開のポイントまでを掘り下げて解説します。

課題分析と仮説

支援の中で、課題を3つの構造的要因に分解しました。

「限定解除」と「禁止広告」の混同

医療広告等ガイドラインには2軸があります。ひとつは限定解除(一定の要件を満たせば広告可能になる事項。たとえば自由診療の治療内容・費用・リスク・副作用等の併記)、もうひとつは禁止広告(要件を満たしても認められない表現。「最先端」「唯一」「確実」等の誇大・優良誤認表現)です。この2軸を混同したまま記事・サイトを作ると、是正のたびに場当たり対応になり、改正のたびに手戻りが発生します。

仮説

「限定解除」と「禁止広告」を明確に2軸で整理し、それぞれの判定ルールを言語化すれば、記事・サイトを横断的に是正でき、改正後の手戻りも最小化できる。

改正対応の体系化によるリスク最小化

医療広告等ガイドラインは令和8年3月に改正されました。既存の公開記事・サイト本体には改正前基準で書かれた誇大表現・禁止広告が点在するため、改正基準に合わせた横断的な是正が必要です。是正のたびに場当たり対応を繰り返すと、運用が属人化し、再改正のたびに同じ手戻りが発生します。

仮説

公開済みの記事群とサイト本体を改正基準で横断的に点検し、誇大NG語を一括是正したうえで、判定ルール・確認フロー・自動チェックを体系化すれば、現在の指導リスクを下げつつ、将来の再改正にも備えられる。

医師確認フローの不在

医療広告の最終責任は医療機関にあります。是正案をライター・編集側で作っても、医師が内容を確認・承認できる形になっていなければ、修正は確定しません。チャットやメールでの個別確認では、数十ページ規模の点検結果を漏れなく追えません。

仮説

是正対象・是正前後の表現・判定根拠を一覧化したExcelチェックリストを用意すれば、医師が短時間で確認・承認でき、是正の確定スピードと網羅性を両立できる。

実施した施策

再生医療シリーズ記事の企画・公開

皮膚再生領域をテーマとした「再生医療シリーズ」を企画・公開しました。再生医療の基礎から応用、リスクまでを段階的にカバーする構成です。

  • [基礎用語の解説] → [関連成分の解説] → [増やす方法] → [幹細胞の種類] → [成長因子] → [治療のデメリット]

各記事から、施術メニューである再生医療療法ページへ内部リンクを設計し、専門性訴求の記事群からコンバージョン導線へつなぐ構造にしました。

アイキャッチ画像方針の刷新

再生医療シリーズのアイキャッチ画像方針を見直しました。従来の「女性ポートレート」型から、**テキスト主役型(雑誌特集の扉風 / 水彩 × テラコッタ × 明朝体)**へシリーズ全体を刷新しました。

人物写真は美容医療領域でビフォーアフター誤認のリスクがあるうえ、記事テーマ(再生医療の解説)との結びつきが弱くなりがちです。テキスト主役型に統一することで、シリーズとしての一貫性と専門特集としての訴求力を高めました。

医療広告等ガイドライン令和8年3月改正への包括対応(本事例の核)

改正基準に基づき、公開記事とサイト本体を横断的に点検・是正しました(以降も継続中)。

公開記事の誇大NG語を一括是正(数十箇所規模)

是正前 是正後 該当する問題
[確実に増やす唯一の方法] [医療で増やす方法] 「確実」「唯一」の誇大・優良誤認
[最先端 / 唯一 / 最適] (一括是正) 比較優良・最大級表現
[厚生労働省から認可] [届出しています] 再生医療法上の不正確表記(認可ではない)
[廃止済みキャンペーンの割引表記] (削除) 実施していないキャンペーンの残存

サイト本体の点検(数十ページ規模)

公開記事だけでなく、サイト本体(施術メニューページ・院長紹介・料金ページ等)を改正基準で点検し、点検レポートを作成しました。サイト構築自体は他社担当のため、是正は指摘レポートとして提示し、反映可否はクライアント側の判断に委ねる運用です。

医師確認用Excelチェックリストの作成

是正対象・是正前後の表現・判定根拠を一覧化したExcelチェックリストを作成し、医師が短時間で確認・承認できる運用フローを確立しました。

コンプラチェックスキルの拡張

/compliance-check スキルを、従来の薬機法対応に加えて医療広告等ガイドライン対応まで拡張しました。誇大NG語・比較優良表現・限定解除要件の充足チェックを機械的に検出できる形に言語化し、今後の記事制作で再利用できるようにしています。

再生医療法対応(提供計画の正しい表記化)

再生医療等提供計画番号は、認定再生医療等委員会の審査を経た正式な提供体制を示すものですが、「厚生労働省から認可」のように記述すると再生医療法上の不正確表記になります。「届出しています」「認定再生医療等委員会の審査を経た」表記へ統一し、再生医療法に整合する形に是正しました。

自由診療シリーズの新規企画

自由診療を主軸とした「[施術名]シリーズ」を新規企画しました。1本目(数千文字規模の長文記事)では、自由診療を記事内で扱うために必要な限定解除の4要件(自由診療である旨・治療内容・標準的な費用・リスクと副作用の明示)を1つの章で完結的にカバーし、限定解除を記事構造に組み込む書き方を確立しました。

月次レポートの自動化

月次レポートを自動化しました。GA4・GSCをそれぞれ自動取得ツールで取り込み、クライアント特化スキルで数式更新・総評シート作成までを一括実行する運用に刷新しました。これにより、月次の数値把握にかかる工数を削減し、分析・施策設計に時間を再配分できるようにしています。

Claude Code環境を活用した工数削減・品質向上

本事例の医療広告対応は、ソリシオが自社運用するClaude Code業務基盤を全工程で活用しています。とくに「点検対象の洗い出し」「責任者確認シートの生成」「コンプラ検出」の3工程を機械化し、医療広告対応の工数とヒューマンエラーを同時に圧縮しました。

活用ポイント 内容 工数削減・品質向上の効果
治療ページの自動インベントリ WordPress REST APIをClaude Codeから読み取り、治療ページ全件(数十ページ規模)の本文を取得。限定解除4項目(治療内容・期間/回数・費用・主なリスク)の記載有無を機械判定 目視点検なら数日かかる全ページの棚卸しを数十分に短縮。完備はごく一部・大半に欠落という実態を定量把握し、是正規模を着手前に可視化
責任者確認シートの自動生成 料金ページから価格項目をスクリプトで抽出し、施術名マッチで施術ごとの確認シートに自動転記(費用は過半を自動引当) 手作業の転記をゼロ化し、医師が短時間で確認・承認できる一覧を生成。転記ミスを排除
/compliance-check の医療広告拡張 既存の薬機法チェックスキルに、誇大NG語・比較優良表現・限定解除要件の判定を追加し機械検出できる形に言語化 「最先端」「唯一」「確実」等のNG語を機械検出。記事ごとの見落としを削減し、今後の制作で再利用可能に
一次資料の直接参照 法令・行政資料(厚労省の事例解説書・Q&A 等)を直接参照し、「費用等を別ページに逃がす形は不可」等の判定根拠を一次資料で確認 解釈の属人化を防ぎ、判定根拠を明文化(場当たり対応の回避)
月次レポート自動化 GA4・GSCを自動取得し、クライアント特化スキルで数式更新・総評シート作成まで一括生成 月次の集計工数を削減し、分析・施策設計に時間を再配分

上記で機械化したのは収集・検出・整形といった反復工程であり、施策の意思決定と成果物の最終レビューは必ず担当者が行っています。

成果

本事例の成果は、医療広告等ガイドライン対応と運用体制の定性価値が主軸です。定量データは直近単月のみで、かつ後述の外部要因による乖離があるため、参考扱いとします。

医療広告等ガイドライン令和8年3月改正への対応を進行中(主成果)

  • 改正基準に基づき、公開記事の誇大NG語を一括是正(数十箇所規模)
  • サイト本体の点検レポートを作成し、横断的な是正対象を可視化(数十ページ規模 / サイト本体への反映はクライアント判断 / 継続中)
  • 「限定解除」と「禁止広告」の2軸構造を整理し、場当たりでない体系的な是正フローを確立
  • 医師確認用Excel運用フローを確立し、医師確認の網羅性とスピードを両立
  • /compliance-check スキルを薬機法 + 医療広告対応に拡張し、医療系で再利用可能な体系を構築

改正対応は直近数ヶ月から本格的に進行しており、サイト本体への反映や自由診療シリーズの限定解除組み込みなど、現在も継続中です。

再生医療法対応の完了

  • 提供計画番号を「認可」ではなく「届出」「認定再生医療等委員会の審査を経た」表記へ統一
  • 薬機法 × 医療広告 × 再生医療法 × YMYL の四重制約を整合させた記事・サイト表現を確立

運用基盤の整備

  • 限定解除を記事構造に組み込む書き方(自由診療シリーズで実証 / 数千文字規模の記事で1章完結化)
  • 月次レポートの自動化(GA4・GSC自動取得 + クライアント特化スキル)
  • 再生医療シリーズのアイキャッチ画像方針統一(テキスト主役型 / シリーズ一貫性の確保)

定量データ(直近単月 / 参考扱い)

直近単月のGA4・GSCデータは、自然検索を中心とした数千セッション規模、診察予約は数十件規模でした。ただし重要な注記があります。

昨年比と乖離の注記: GA数値ベースでは前年比3〜4倍超という大幅増ですが、この数値はYahooサジェスト施策の影響でGA4の計測実態と乖離しています。GSCベースでのクリック合計は前年同期比9割前後で、実態としてはほぼ横ばいです。GA4の前年比をそのまま成果として提示すると過大評価になるため、本事例ではGSCベースの実態を正としています。単月かつ乖離ありのデータであり、定量効果の証明力は限定的です。継続的な観測で実態を確認していく段階にあります。

ふり返り・横展開ポイント

再現可能なポイント

本事例の核は 「医療広告対応の2軸整理(限定解除 × 禁止広告) × 改正基準での横断是正 × 医師確認フローの仕組み化」 の3点セットです。これは美容医療全般、および薬機法 + 業界ガイドラインの二重制約がある業界に横展開可能です。

要素 横展開可能な業界
「限定解除 × 禁止広告」の2軸整理 美容医療 / 自由診療クリニック全般
改正基準での横断是正(記事 + サイト本体) 医療 / 美容 / 健康食品 / 化粧品 等
医師(責任者)確認用Excelチェックリスト 医療機関全般 / 責任者承認が必要な業界
コンプラチェックスキルの薬機法 + 医療広告拡張 医療 / 美容 / 健康食品 / 化粧品 / サプリ
再生医療法対応(提供計画の正しい表記) 再生医療を提供する医療機関
限定解除を記事構造に組み込む書き方 自由診療を扱うすべての記事制作

必要な前提条件

横展開には以下の前提条件が必要です。

  • GA4・GSC・スプレッドシートのアクセス権限付与(クライアント側の協力)
  • 医師(責任者)の確認フロー(Excelチェックリスト等)への協力
  • 医療広告等ガイドライン・再生医療法への対応合意
  • サイト本体の点検範囲とCMS編集権限の有無の確認(構築会社が別の場合は指摘レポート提示型になる)

限界・想定されるリスク

  • 医療広告等ガイドラインの再改正: 令和8年3月改正のように、ガイドラインが再改正されればルールの再整備が必要
  • 単月データの証明力不足: 定量効果は直近単月のみで、継続観測が必要
  • 外部要因によるGA数値の乖離: Yahooサジェスト等の影響でGA4数値が実態と乖離するため、GSCベースでの実態把握が前提になる
  • サイト本体の是正反映: 構築会社が別のため、点検レポートの反映はクライアント側の判断に依存する

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