CASE 04 / 制作会社 / メディア

制作会社オウンドメディアのゼロイチ立ち上げ — 9ヶ月でTop10圏内・表示数百倍

業種
共創型デジタルプロダクション(Web制作)
支援内容
コラム記事制作・多段品質チェック・KW戦略
期間
約9ヶ月(継続中)/1名体制
0→数百月間クリック(9ヶ月)
数百表示回数(9ヶ月)
Top10圏内着手7ヶ月目に突入

Challenge課題

着手時点でオウンドメディアは実質ゼロ(GSC観測は記事1本・表示数十回・クリック0)。制作会社の事業ドメイン(Web制作・SEO・生成AI)でのコンテンツSEO実績がなく、リード獲得導線として機能するメディアが未確立でした。

Approach取り組み

KW選定から納品までの制作全工程に、fact/readability/compliance/score の多段品質チェックを直列で適用。AI生成原稿の料金・機能・発表日等を一次ソースで照合して情報鮮度を担保し、主力2カテゴリに集中投下しました。

Result成果

9ヶ月でクリック0から月間数百クリック級、表示は数百倍、流入クエリは約百数十倍へ。着手7ヶ月目に平均順位がTop10圏内へ突入し、主力2カテゴリで集客の95%超を構築しました。

Details

取り組みの詳細

課題の分析から具体的な施策、成果の内訳、横展開のポイントまでを掘り下げて解説します。

課題分析と仮説

ゼロから流入を作るには、量(記事数)・カテゴリ戦略・品質の3要素を同時に動かす必要がありました。検索エンジン側のインデックス・評価にもタイムラグがあるため、半年〜1年の継続投下を前提に施策を設計しました。

ゼロイチ立ち上げに必要な「量・カテゴリ・品質」の同時投下

新規ドメインのオウンドメディアは、記事を1本ずつ増やしただけでは順位が動きません。検索エンジンがサイト全体を「専門メディア」として認識するには、関連カテゴリの記事群が一定数公開され、相互に内部リンクで結ばれている状態が必要です。

仮説

Web制作・UI/UX・CMS・集客・CV改善・ノーコードCMS・生成AIの7カテゴリで月数本ペースで記事を継続公開し、相互に内部リンクで結べば、6〜9ヶ月でサイトオーソリティが立ち上がり、順位ブレイクスルーが起こる。

AI生成原稿の「もっともらしい誤り」

AIを使えば記事はすばやく量産できますが、ツール仕様のような事実情報では「もっともらしいが誤っている」記述が混入します。実際の制作では、ノーコードCMSや関連ツールの料金プラン・機能制限・新機能の発表日について、初稿のままでは公開できない誤認が複数ありました。

仮説

ツール仕様・料金・機能制限を記述する箇所は、必ず公式ヘルプ等の一次ソースで照合し、誤訳・誤認を機械的に洗い出すファクトチェック工程を直列に組み込めば、量産しながら正確性を担保できる。

ツール解説メディアの情報鮮度リスク

ノーコードツールは機能追加・料金改定が頻繁で、記事公開時点では正しくても数ヶ月で陳腐化します。さらに、公式の「What’s New」ページを通読すると、複数の新機能の発表日が混在し、どの機能がいつ・どのプランで使えるかが取り違えられやすい構造でした。

仮説

記述に時点注釈を付け、機能・料金は公式ヘルプの記事ID付き正URLで個別検証すれば、情報鮮度と保守性を両立できる。

制作会社メディアのE-E-A-T不足

制作会社のオウンドメディアは専門性が高い一方で、「制作会社ならではの経験(Experience)」を記事に織り込めていないと、一般的な解説記事と差がつきません。SaaS解説記事に自社の制作実績・相談事例をどう自然に入れるかが論点でした。

仮説

自社の制作実績・よくある相談事例・パートナー選びの観点を本文中に散らし、後半に独立した自社訴求セクションを設ければ、E-E-A-Tの Experience を補強しながら問い合わせ導線も強化できる。

実施した施策

7カテゴリ・月数本ペースの継続公開

着手から月数本ペースで記事を継続公開し、9ヶ月で 7カテゴリ数十記事まで積み上げました。

カテゴリ 記事数規模 主な対策KW例(テーマ)
サイトリニューアル 十数本 リニューアルの手順 / 費用 / RFP / SEO 等
UI、UX 数本 UX改善 / ユーザビリティ改善 / 表示速度改善 等
CMS 数本 CMS移行 / 動的cms 静的cms 違い 等
集客 数本 ホームページ 集客できない / 売上アップ
CV改善 数本 CVR 改善 / リード獲得
[ノーコードCMS] 数本〜十本弱 アニメーション / プラン / ノーコード 等
生成AI 数本 生成AI Webサイト / リスク / 著作権 / ガイドライン 等
合計 数十本

特に主力2カテゴリ(ノーコードCMS関連 + 生成AI関連)を軸に、相互に内部リンクで結んでサイト構造を強化しました。

多段品質チェックの直列運用

記事制作を、以下の工程を直列で回すプロセスとして標準化しました。

  1. KW選定 → brief作成 → 執筆
  2. ファクトチェック: ツール仕様・料金・機能制限を公式ヘルプ等の一次ソースで照合し、要修正箇所を行番号付きで洗い出す
  3. 可読性チェック: 翻訳調・AI特有語彙・語尾の一極集中・専門用語の段階開示を点検し書き換える
  4. コンプラチェック: 業界規約・薬機法等の該当有無を確認
  5. 品質スコアリング: /article-score --mode final で9軸100点満点の定量採点を行い、低スコア軸を改善
  6. Google Doc / Word納品 → 記事FIX: 見出し太字・H3黒カラー統一の体裁で出力し、公開版との照合まで実施

AI生成原稿の一次ソース照合(ファクトチェック)

最も工数をかけたのが、AI生成原稿に混入する誤訳・誤認を公式ヘルプで潰す工程です。代表的な記事では、十数項目のエビデンスを factcheck-refs.md に保存しながら修正しました。

修正項目(一例) 初稿 修正後(公式ヘルプで確認)
[ツール] 多言語対応 「1言語あたり数十米ドル」 プラン単位課金(最大ロケール数で制限)に修正
[プラン名] の CMS 「非対応」 公開アイテム上限ありで利用可
404ページの対応プラン 「[プラン名]以上」 全プランで作成可能
新機能の発表日 (初稿の日付) 専用ページで確認した正しい日付

ツール仕様・事例・料金は「初稿のままでは出さない」を前提にした運用です。

情報鮮度の担保(時点注釈 + 記事ID付き正URL検証)

  • 時点注釈の集約: 個別段落ごとの時点記述を散らさず、章末1箇所への統一注釈に集約(読みやすさと保守性を両立)
  • 記事ID付き正URLでの個別検証: 公式「What’s New」ページの通読だけでは発表日・対象プランを取り違えるため、機能ごとの専用ページで個別確認
  • 公式情報が取得できないケースの判断: SPAサイトは生HTMLから情報が取れないため、手元で確実に取れる公式数値のみを採用

品質スコアリングによる定量QA

提出品質を点数で可視化するため、/article-score --mode final(9軸100点満点)を導入しました。代表的な記事では以下のように改善を回しています。

ステップ 総合点 ランク 文字数
初回スコアリング Aランク(90点弱) A 数千字台
推奨 + 任意の改善反映 Sランク(90点台後半) S 数千字〜
自社訴求強化(リード + 章追加)後 Sランク維持 S 8千字超

特にE-E-A-T濃度の軸は低位ランクから上位ランクへ引き上げました。SaaS解説記事で一次情報シグナルを織り込む具体策として、本文中に自社の制作実績・相談事例を2〜3箇所散らし、リード文に「本記事は〜の知見をもとに整理」の前置きを置き、後半に独立した自社訴求H2セクション(社内対応が難しくなるケース + パートナー選びの相談導線)を設けました。

クライアント側の暗黙ルール検出とレビュー突き合わせ

クライアント側でもClaudeを用いた記事レビューを行っており、そのフィードバックとソリシオ側のチェックを突き合わせる運用が発生しました。

  • 暗黙の表記ルール検出: writing-rules.md に明記されていなかった固有名詞の大文字小文字ルールを、profile.md のサービス説明文・既存記事タイトルから推測して検出し、writing-rules.md に明文化
  • 先方FBの妥当性判定: 代表的な記事で先方Claudeから提出された十数項目のフィードバックを、①公式情報・writing-rules.md との照合、②記事内の既存記述確認、③公式URLでの事実確認、④判定不能はユーザー確認、の4軸で切り分け

他環境のAIが出力したレビューを「すべて正しい前提」では扱わず、一次ソースとクライアントルールで検証する運用を確立しました。

Claude Code環境を活用した工数削減・品質向上

新規メディアのゼロイチ立ち上げでは、AI生成原稿の品質担保と納品体裁の自動化にソリシオのClaude Code業務基盤を活用しました。AIは下書き・整形に使い、事実確認と最終判断は人が担う運用です。

活用ポイント 内容 工数削減・品質向上の効果
公式ソース照合のファクトチェック AI生成原稿に混入する誤訳・誤認を公式ヘルプで潰す工程を標準化し、エビデンスを参照ファイルに保存(例: 1記事で十数項目を修正) AI原稿の事実誤りを体系的に除去し、ツール解説記事の信頼性を担保
納品体裁の自動化 /article-to-gdoc スキルを新規開発(見出し太字・H3黒カラー統一の出力自動化) 納品体裁を統一し、整形の手作業を削減
GSC連携の継続分析 9ヶ月分のGSCデータを取り込み、流入クエリ・流入URLの伸びを継続モニタリング ゼロイチ立ち上げの進捗を定量把握し、注力カテゴリを判断

上記で機械化したのは収集・検出・整形といった反復工程であり、施策の意思決定と成果物の最終レビューは必ず担当者が行っています。

成果

9ヶ月のゼロイチ成長

着手から9ヶ月の月次推移は以下の通りです(実数は伏せ、規模感で表記)。

月次(着手からの経過月) クリック 表示 CTR 平均順位 流入URL 流入クエリ
1ヶ月目 ゼロ 数十回 0% 十位台 1本 十未満
2ヶ月目 ゼロ 百回台 0% 十位台 1本 十数
3ヶ月目 ごく少数 数百回 1%前後 30位台 十数本 数十
4ヶ月目 ごく少数 数千回 0.1%前後 40位台 二十本台 数百
5ヶ月目 十数件 万単位前半 0.1%前後 40位台 三十本台 数百
6ヶ月目 百件超 万単位前半 0.6%前後 二十位台 三十本台 数百
7ヶ月目 数百件 三万単位 1%前後 Top10圏内(10位以内) 七十本超 数百
8ヶ月目 数百件 三万単位後半 1%前後 Top10圏内 八十本超 千件前後
9ヶ月目 月間数百件 四万単位 1%前後 Top10圏内 百本前後 千件超

ハイライト:

  • クリック数 ゼロ → 月間数百件(ゼロイチ達成)
  • 表示回数 数十回 → 四万単位(約数百倍
  • 平均順位 40位台 → Top10圏内着手7ヶ月目にブレイクスルー
  • 流入URL 1本 → 百本前後
  • 流入クエリ 十未満 → 千件超(約百数十倍
  • 順位ブレイクスルーは着手7ヶ月目に発生。新規ドメインのオウンドメディアの典型的なインデックス積み上げ→ブレイクスルー曲線

ブレイクスルー月と立ち上げ完了月のカテゴリ別構成

ゼロイチ立ち上げ期において、流入の柱になったのは主力2カテゴリ(ノーコードCMS関連 + 生成AI関連)でした。

着手7ヶ月目(Top10ブレイクスルー月)

カテゴリ 構成比
[ノーコードCMS] 約45%
生成AI 約55%
その他5カテゴリ 1%未満
100%

主力2カテゴリで 99%超。ブレイクスルー月の流入は事実上すべて主力2カテゴリが担っていた。

9ヶ月目(立ち上げ完了月 / 到達点)

カテゴリ 構成比
[ノーコードCMS] 6割超
生成AI 3割前後
CMS 数%
その他4カテゴリ 1%程度
100%

主力2カテゴリで 95%超。立ち上げ完了月でも集中度はほぼ維持されており、ノーコードCMS関連が単独で6割超を占めるまで成長。

「全7カテゴリで継続公開してサイトオーソリティを底上げしつつ、主力2カテゴリに集客を集中させる」というカテゴリ戦略が、明確に成果として出ています。

多段品質チェックによる提出品質の担保

代表的な制作プロセスを通った記事では、ファクトチェック十数項目(公式ヘルプ照合)・可読性チェック十数箇所修正・品質スコアリング A→S ランク改善・E-E-A-T濃度の上位ランク化を実現しています。先方Claudeから提出された十数項目のFBも、誤指摘・ルール違反・手元未確認を切り分けて適切に取捨選択しています。

定性的変化

  • ゼロイチで集客の柱を作りながら、多段品質チェック体制が並行して標準化
  • 制作過程で記事のGoogle Doc出力スキル(見出し太字・H3黒カラー統一の出力自動化)を新規開発し、納品体裁を統一
  • 共通ライティングルールを継続的に追加し、ノウハウがプロジェクト横断の資産になった
  • 他環境AIのレビューを一次ソースで検証する突き合わせ運用が確立
  • GSC API 直接接続によるカテゴリ別・URL別の自動集計で、KW戦略・記事改修の根拠データが揃った

ふり返り・横展開ポイント

再現可能なポイント

本事例の核は 「7カテゴリ × 月数本ペースの継続公開 × 主力2カテゴリへの集客集中 × 多段品質チェック × 一次ソース照合」 の5点セットです。新規ドメインのオウンドメディアのゼロイチ立ち上げ、および制作会社・SaaS・専門メディア全般に横展開可能です。

要素 横展開可能な領域
7カテゴリ × 月数本ペースの継続公開(オーソリティ構築) 新規オウンドメディア・ゼロイチ立ち上げフェーズ全般
主力2カテゴリへの集客集中設計 多カテゴリ展開しているメディア全般
fact / readability / compliance / score の直列運用 あらゆるオウンドメディア・専門メディア
AI生成原稿の一次ソース照合(公式ヘルプ・記事ID付きURL) SaaS・ツール解説 / 法令・制度解説 / 仕様が更新される領域全般
品質スコアリングによる定量QA(E-E-A-T濃度の可視化) 制作会社・コンサル会社の自社メディア
情報鮮度の担保(時点注釈 + 個別URL検証) 仕様・料金・制度が頻繁に変わる領域
他環境AIレビューとの突き合わせ運用 クライアント側もAIレビューを行うケース全般

必要な前提条件

  • GSC・記事管理シート(スプレッドシート)のアクセス権限付与
  • クライアント側のブランド表記ルール・自社実績情報の提供
  • 月数本ペースの公開体制(6〜9ヶ月の継続投下が前提)
  • ツール仕様の公式ヘルプ等、一次ソースへのアクセス

限界・想定されるリスク

  • インデックス積み上げ期間: 新規ドメインの順位ブレイクスルーには6〜9ヶ月の継続投下が必要。短期成果を求めるクライアントには事前合意が必要
  • 流入の偏り: 主力2カテゴリに集中しすぎており、低クリックカテゴリの再設計が今後の課題
  • ツール仕様の変更: ノーコードCMS等のツールは機能追加・料金改定が頻繁で、個別記事の更新工数が継続的に発生
  • AI検索の評価ロジック変動: AI Overviews・AI Mode等の進化に伴う引用最適化の継続的アップデートが必要

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